18.税理士事務所の3つのビジネススタイルとは

平成27年10月
税理士・会計事務所様へのメッセージ
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


税理士事務所のビジネススタイル(以下はモデルと表記します。)は、
…大きく三つに分類できます。

三者三様ですが、それぞれでその取組むべき優先順位、投資の対象は異なります。
 

フレンドリーモデル
  顧客との親密感を売りにするモデルです。ある種のサービス業への転換になります。

所長及び職員が、サービス業的なメンタリティーを持つ必要があります。
税理士さんは元来先生稼業であり、その顧客はクライアントです。コンシューマーではありません。顧客をクライアントとしてではなくコンシューマーとしてお付合いする覚悟が必要です。そのためには、上座ではなく、場合によっては下座に座する必要もあります。このメンタリティーチェンジは容易ではありません。
先生稼業からサービス業への転換を行う覚悟を持てれば、このモデルも選択の一つでしょう。
所長及び職員に対して、サービス業のノウハウを訓練して習得するためのプログラムと、それに対する投資が必要です。
※「サービス」の語源は、ラテン語の「servus=奴隷」です。

安売りモデル
  価格、安売りで勝負するモデルです。

安く売るためには、役務を安く提供するノウハウと仕組みが必要です。最良のオペレーションと低コストのバックオフィスを構築する必要があります。そのためには相当の投資が必要になります。本来は相当大きな事務所が取り組むべきモデルであって、開業間もない先生や、中小規模の事務所に適したそれではありません。
また、安売りを売りにすると、『安売りを求める顧客』が集まります。その後の単価アップも容易ではありません。この顧客が求めているのは、提供する役務の付加価値アップではなく、さらなる値下げです。
中途半端にこのモデルで事務所の経営を進めると、繁盛貧乏のワールドに埋もれてしまいます。
推奨したくない大変難解なモデルです。

プロ化モデル
       税務以外の領域において、プロのノウハウを習得して付加するモデルです。
      
(※税務分野は税理士全員がプロなので、差別化の軸にはなりません。)

税務に付加してプロの領域を習得し、それを差別化の軸、あわせて収益に付加するモデルです。ポイントは、所長及び職員が、その分野でも真のプロになれるか?です。

○(極端な例ですが)弁護士資格をプラスで取得して、法律業務を税務に付加する!
  現実的ではありません。狙う領域が重たすぎて対応できません。
○経営全般の支援ノウハウをマスターして、経営全般の指導を行う!
  経営戦略をどうするか?売上をどう上げるか?マネージメントの改善は?
  …弁護士資格を取得するに匹敵する資質とスキルが必要です。現実的ではありません。
    ただし、狙いはこの延長線上にあります。
◎(限定的な)経営支援ノウハウをマスターして、その分野に特化した支援を行う!
  私(当協会)は、財務(金融機関対応を含む)に特化した支援業務を推奨しています。
 

経営全般の支援を軸におくべきではありません。絶対に止めましょう。

所長一人が多忙に陥り、職員との繁忙格差がますます拡大します。〔そもそも優秀なコンサルタントは、税理士事務所に経営全般のコンサルを導入する提案など絶対にしません。限定的にコンサル業務を引き受けて行うことは否定しませんが…〕

財務(金融機関対応を含む)に特化した支援業務=「財務部長の代行業務」=『新・税理士』を推奨しています。

既存の税務業務に最も近く、限定した領域です。故に、最短(※)で習得できます。
過半の職員が、一定の訓練と実務を積めば、この分野でプロになれます。

※ただし、普通自動車を乗りこなせるための時間と労力程度を費やしてください。この程度の時間とコストの投資は必要です。5時間や10時間程度で完全にマスターできる程の薄っぺらなノウハウではプロとして収益化できません。

※どのビジネススタイルを選択するにしろ、3年後・5年後・10年後の未来を想像しながら、相応の覚悟と決意を持って取り組んでください。

 


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